生理学

生理学 第8章 内分泌 ホルモンまとめ

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1.視床下部ホルモン

1)放出ホルモン

成長ホルモン放出ホルモン
(GRH:Growth hormone Releasing Hormone)

 

プロラクチン放出ホルモン
(PRH:Prolactin Releasing Hormone)

 

甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン
(TRH:Thyrotropin Releasing Hormone)

 

副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン
(CRH:Corticotropin Releasing Hormone)

 

性腺刺激ホルモン放出ホルモン
(GnRH:Gonadotropin Releasing Hormone)

 

2)抑制ホルモン

成長ホルモン抑制ホルモン
(GIH:Growth hormone Inhibiting Hormone)

 

プロラクチン抑制ホルモン
(PIH:Prolactin Inhibiting Hormone)

 

2.下垂体ホルモン

1)下垂体前葉ホルモン

成長ホルモン
(GH:Growth Hormone)
  • 骨髄での軟骨の形成を促進
  • たんぱく質の合成を促進
  • 血糖値を上昇させる
  • 脂肪酸を遊離させる

 

プロラクチン(乳腺刺激ホルモン)
(PRL:Prolactin
  • 乳腺の発達
  • 成熟した乳腺細胞における乳汁を産生し、分泌を促進する

 

甲状腺刺激ホルモン
TSH
  • 甲状腺ホルモンの産生・分泌を促進

 

副腎皮質刺激ホルモン
ACTH
  • 副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド)の分泌を促進

 

性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)
GnH
〈主な標的器官〉

性腺(卵巣・精巣)

 

卵胞刺激ホルモン
(FSH)
  • 卵巣における卵胞の成熟を促進
  • LHと協調して卵胞ホルモンの生成・分泌を促進
  • 精巣の精細管の発育を促進
  • 精子の形成を促進

 

黄体形成ホルモン
(LH)
  • 成熟卵胞に働き、排卵を誘発
  • 排卵後、黄体形成促進⇒黄体ホルモンの分泌を増加
  • 間質細胞に作用し、弾性ホルモンの生成・分泌促進

 

2)下垂体後葉ホルモン

バゾプレッシン(抗利尿ホルモン)
(ADH)
  • 抗利尿作用:集合管での水の再吸収を促進
  • 血圧上昇作用(体内の水が増える)
〈主な標的器官〉

腎臓

 

オキシトシン
  • 授乳時の乳汁射出作用(射乳反射)
  • 分娩時の子宮平滑筋収縮
〈主な標的器官〉

乳腺、子宮

 

3.甲状腺ホルモン

サイロキシン(T4)、トリヨードサイロニン(T3)
  • 物質代謝亢進:酸素消費を高め基礎代謝亢進、代謝熱増大(体温上昇)、血糖値上昇
  • 発育促進:GHの働きを助け、骨や歯の発育促進
  • 精神機能刺激
  • 許容作用:他のホルモンに影響を及ぼす
カルシトニン
  • 血漿中Ca2+濃度低下(骨吸収を抑制し、骨形成を促進する)
  • 腎臓からのCa2+の排泄促進
〈主な標的器官〉

骨・腎臓

 

4.副甲状腺ホルモン

パラソルモン
(PTH)
  • 骨吸収促進(骨から血中へのCa2+の遊離)
  • 腎臓(尿細管)でのCa2+再吸収促進
  • 腎臓でのビタミンD3活性化促進⇒腸からのCa2+吸収促進
〈主な標的器官〉

骨、腎臓

 

5.膵臓のホルモン

グルカゴン(α細胞)
  • 血糖値上昇⇒肝臓グリコーゲン分解、糖新生
  • 血中遊離脂肪酸増加⇒肝臓脂肪分解促進
〈主な標的器官〉

肝臓、脂肪組織

 

インスリン(β細胞)
  • 血糖値を下げる
  • グルコースの脂肪への変換促進(脂肪貯蔵)
  • たんぱく質合成促進
〈主な標的器官〉

骨格筋、脂肪組織、肝臓

ソマトスタチン(δ細胞)

インスリン、グルカゴンの分泌抑制

〈主な標的器官〉

ランゲルハンス島のα細胞、β細胞

 

6.副腎ホルモン

1)副腎髄質ホルモン

カテコールアミン

アドレナリン、ノルアドレナリン、ドパミンの総称。

  • 脂肪分解促進⇒遊離脂肪酸増加
  • 酸素消費量増加(代謝活発)⇒熱産生増加
  • 胃腸運動抑制、気管支拡張
〈主な標的器官〉

循環系、血糖値、遊離脂肪酸、代謝、平滑筋

アドレナリン(エピネフリン)
  • 心筋収縮力と心拍数の増加⇒心拍出力の増加作用
  • グリコーゲン分解の促進⇒遊離脂肪酸が増加
ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)
  • 総末梢抵抗の増加⇒血圧上昇作用
ドーパミン

 

 

2)副腎皮質ホルモン

電解質コルチコイド(アルドステロン)
  • 集合管でのNa+再吸収促進、K+の排泄促進
  • 細胞外液量の増加
〈主な標的器官〉

腎臓

 

糖質コルチコイド(コルチゾール、コルチコステロン)
  • 糖新生の促進⇒血糖値上昇、たんぱく質・脂肪の分解促進
  • 抗炎症・抗アレルギー作用
  • 許容作用
  • 胃液(酸・ペプシン)分泌促進、粘液分泌抑制
  • 抗ショック作用
〈主な標的器官〉

肝臓、胃など

 

副腎アンドロゲン(デヒドロエピアンドロステロン)
  • 身体の男性化作用

 

7.精巣ホルモン

アンドロゲン/男性ホルモン(テストステロン)
  • セルトリ細胞に作用し、精子形成促進
  • 男性内生殖器(前立腺、精嚢)の発育促進、機能維持
  • 男性の第二次性徴発現
  • タンパク質同化
  • 性欲亢進

8.卵巣ホルモン

1)卵胞ホルモン(エストロゲン)

エストラジオール
エストロン
エストリオール
  • 卵胞の発育促進
  • 卵管運動を高める
  • 子宮内膜と膣上皮の増殖促進
  • 乳腺の発育促進
  • 女性の第二次性徴発現
  • 性欲亢進
〈主な標的器官〉

生殖器官

 

2)黄体ホルモン

プロゲステロン
  • 受精卵の着床を容易にする⇒妊娠維持
  • 乳腺発育促進
  • 排卵抑制
  • 体温上昇作用
〈主な標的器官〉

子宮、乳腺