生理学

味覚と嗅覚 まとめ

味覚と嗅覚は、水に溶けた化学物質が感覚上皮に作用して生じる感覚です。

また、味覚と嗅覚の感覚情報は視床下部や大脳辺縁系にも作用して、快や不快の情動を伴います。

a.味覚の性質

味の基本感覚は、
・甘い
・酸っぱい
・苦い
・塩辛い
の4つに区別されます。
※最近ではこれに旨味も加えられています。
※辛い、は痛覚になっています。

味覚の順応は著名で、同じ刺激を繰り返していると感覚は弱くなります。

 

b.味覚の受容器と伝導路

味覚は舌の表面にある「味蕾」で感受されます。
味蕾の数は舌全体で約1万個あるとされています。水に溶けた化学物質が、味蕾の開口部から入って味細胞に作用します。
味細胞の寿命は短く、だいたい10日くらいで新しい細胞と入れ替わります。

味覚の情報は、
・舌の前2/3に分布する味蕾からの情報が顔面神経(鼓索神経)
・舌の後1/3に分布する味蕾からの情報が舌咽神経
を介して、
延髄の孤束核

視床の味覚中継核

大脳皮質の味覚野

へと伝わっていきます。

 

c.嗅覚の性質

嗅覚は非常に順応が速くなっています。
※数秒で完全に順応すると言われています。

 

d.嗅覚の受容器と伝導路

鼻から息を吸い込んだ時に、空気の一部が上鼻道を通って嗅上皮に向かいます。
この吸気中の匂いの分子が嗅細胞を刺激します。

嗅細胞

嗅球

梨状皮質@側頭葉

視床背内側核

眼窩前皮質@前頭葉