A.小児科疾患
小児科疾患では「小児神経症」「小児夜尿症」について勉強します
a.小児神経症
小児神経症は「不安神経症」「神経性抑うつ」「対人恐怖」の3つについてです。
(1)不安神経症
【症状】
- 不登校
- 睡眠障害
- 焦燥感
- 食欲不振
などの症状がみられます。
(2)神経性抑うつ
【症状】
- 理由もなく嘆き悲しむ
- 物事への興味喪失
- 注意集中の困難
- 自殺企図
などの症状がみられます。
(3)対人恐怖(社会不安障害)
【症状】
- 被害妄想がある
- 自分に満足できない
- 気分がすぐれない
などの症状がみられます。
b.小児夜尿症
小児夜尿症は「多量遺尿型」と「排尿機能未熟型」「冷え対策」の3つに分けられます。
(1)多量遺尿型
【生活指導】
意識的に摂取水分の日内リズムを調整する
(2)排尿機能未熟型
【訓練】
排尿抑制訓練
(3)冷え対策
D.婦人科疾患
婦人科疾患では「子宮頸がん」「子宮体がん」「乳がん」「更年期障害」「月経異常」について勉強します。
a.子宮頸癌
【概要】
- 女性の性器腫瘍で最も多い疾患です
- 好発年齢は40〜60代です
【成因と病態生理】
- 初交年齢が早いとなりやすい
- 性交の相手が複数いるとなりやすい
- ヒトパピローマウイルス(HPV)との関連性が高いとされています
【症状】
- 進行期では、不正性器出血、帯下がみられます
- 末期では、疼痛が生じます
b.子宮体癌
【概要】
- 患者の約75%は閉経後の女性です。
【成因と病態生理】
以下のような条件に当てはまる人が子宮体がんになりやすいとされています。
- 不妊
- 閉経後
- 初婚、初妊年齢が高い
※8割はエストロゲンの長期的刺激が原因 - 妊娠回数が少ない
【症状】
- 不正性器出血
- 異常帯下
といった症状がみられます。
c.乳がん
【概要】
- 乳腺に発生する
- 乳癌は増加している
※理由は食生活の欧米化(脂肪摂取量の増加) - エストロゲンの濃度が高い人ほどかかりやすい
【成因と病態生理】
- 未婚、未経産婦
- 肥満女性
【症状】
- 腫瘤を触れる
- 湿疹様びらん
【診断】
- マンモグラフィ
d.更年期障害
【症状】
- ほてり
- のぼせ
- 発汗
- 眩暈
- 耳鳴
- ほとんどが自覚所見
【治療】
- エストロゲン
- 少量のアンドロゲン
e.月経異常
【疫学】
思春期や更年期に多くみられます。
【成因と病態生理】
子宮筋腫や子宮内膜症に続発します
【症状】
- 周期異常
- 頻度異常
- 量異常
に分けられ、月経困難症では「下腹部痛」「腰痛」を伴います。
E.皮膚科疾患
皮膚科疾患では「接触性皮膚炎」「アトピー性皮膚炎」「じんま疹」「円形脱毛症」について勉強します。
a.接触性皮膚炎
【症状】
急性期の皮膚炎では、以下のような症状がみられます。
- かゆみ
- 紅斑
- 浮腫
- 紅色丘疹
- 漿液性丘疹
慢性期の皮膚炎では、以下のような症状がみられます
- 浸潤病変
- 苔癬化(かたくザラザラ)
【経過・予後】
接触原により再発する
b.アトピー性皮膚炎
【概要】
乳幼児期の乳児湿疹から発症する場合も多い
【成因と病態生理】
Ⅰ型アレルギーの関与が考えられる。
【症状】
①乳幼児期(3歳頃)までの特徴
- 紅斑
- 湿潤傾向
②幼少時期(4〜10歳頃)までの特徴
- 苔癬化
- 乾燥傾向
③思春期、成人期の特徴
- 苔癬化
- 乾燥傾向
【経過・予後】
- 冬〜春にかけて悪化
- 思春期頃までに軽快
c.じんま疹
【概要】
じんま疹は数分から数時間後に跡形なく消失する一過性で表在性、局所性の真皮上層の浮腫
- 急性じんま疹は1ヶ月以内に消失
- 慢性じんま疹は1ヶ月以上続く
【成因と病態生理】
発生メカニズム
- IgEを介するⅠ型アレルギー
- 補体活性化を介する肥満細胞(マスト細胞)からの化学伝達物質遊離
- 非特異的刺激による化学伝達物質遊離
- 非ステロイド抗炎症薬
【症状】
- 発赤、かゆみを伴う膨疹
- 膨疹は拡大する
- 数時間のうちに消失する
d.円形脱毛症
【概要】
境界明瞭な脱毛斑を生じる
【疫学】
人口の1〜2%に発症し、そのうち1/4は15歳以下
遺伝的要因がある
【治療】
自然治癒する場合も多い
【経過・予後】
約40%は再発する
F.眼科疾患
眼科疾患では「結膜炎」「角膜炎」「麦粒腫」「白内障」「緑内障」「眼精疲労」の勉強をします。
a.結膜炎
【疫学】
結膜炎は「アレルギー性」と「感染性」の2つに分けられます。
【成因と病態生理】
アレルギー性結膜炎はアレルギー性鼻炎に合併しやすい
【症状】
結膜充血
【診断】
アレルギー性結膜炎の病態
- 強いかゆみ
- 季節性がある
感染性結膜炎の病態
メインはアデノウイルス
【経過・予後】
季節により軽快するが、反復しやすい
細菌感染性結膜炎は
- アデノウイルスなら3週間ほどで自然治癒
- クラミジアだと難治性で2ヶ月ほどの治療が必要
- 細菌性であれは適切な抗菌薬で1週間以内に軽快
b.角膜炎
【成因と病態生理】
角膜炎の原因としては「細菌」「真菌」「ウィルス」に分類されます。
細菌の場合はグラム陽性菌が原因になることが多いです。
ヘルペスウイルスでの角膜炎の場合は再発性の炎症を起こす
【症状】
- 眼痛
- 流涙
- 毛様充血
【経過・予後】
基本的には薬物療法で治癒しますが、薬が効かない場合や角膜の障害が強い場合は「角膜移植」を行います
c.麦粒腫
【概要】
- 外麦粒腫は皮脂腺や感染、睫毛の毛嚢に生じる
- 内麦粒腫はマイボーム腺に生じる
【成因と病態生理】
- 起炎菌は主に黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌が多くなっています。
【症状】
- 腫脹
- 異物感
d.白内障
【概要】
水晶体の混濁により視力が低下する
【成因と病態生理】
加齢によるものが多いですが、外傷性や先天性に発病することもあります。
【症状】
- 視力障害
- まぶしく感じる
e.緑内障
【概要】
眼圧の亢進による視神経障害です
【疫学】
失明の原因「第2位」となっています。
【症状】
- 視野障害
- 視力障害
【経過・予後】
中心視野が残りやすいので、視野障害や視力障害を自覚するのはかなり末期になってからのケースが多くなっています。
f.眼精疲労
【疫学】
VDT症候群による眼精疲労が増大しています。
G.耳鼻科疾患
a.メニエール病
【概要】
耳鳴、難聴を伴う回転性の眩暈発作
【症状】
- 片側性の難聴
- 耳鳴
- 眩暈発作
b.中耳炎
【疫学】
- 小児(特に2歳以下)に多い
- 上気道感染(かぜ症候群)に続発する
【成因と病態生理】
中耳にインフルエンザ菌や肺炎球菌が感染
【症状】
- 耳痛
- 発熱
- 耳漏
【経過・予後】
急性中耳炎は2週間以内に鼓膜所見が改善
c.突発性難聴
【症状】
- 高度の感音難聴
- 耳鳴
- 眩暈
【診断】
流行性耳下腺炎との鑑別が必要
【経過・予後】
2週間以内で改善の可能性が高いが、一ヶ月以上経つと改善の可能性が低い
d.アレルギー性鼻炎
【概要】
鼻粘膜の即時型アレルギー性疾患
【成因と病態生理】
- 抗体:IgE抗体
- 感作細胞:肥満細胞
- 化学伝達物質:ヒスタミン
【症状】
- 水溶性鼻汁
- 反復性の鼻閉
【経過・予後】
完治は難しい
e.副鼻腔炎
【概要】
前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞、上顎洞で構成される副鼻腔の炎症
【症状】
- 膿性鼻漏
- 鼻閉
- 味覚障害
- 頬部痛
- 歯痛
- 発熱
【経過・予後】
内視鏡で鼻腔内手術
H.精神科疾患
精神科疾患では「神経症」「統合失調症」「うつ病」「アルコール依存症」について勉強します。
a.神経症
【症状】
- 不安
- 恐怖
- 自覚はある
【経過・予後】
森田療法
b.統合失調症
【概要】
- 意識清明
- 病識の障害
- 陽性症状(本来存在しないものが出現する)
- 陰性症状(元々存在するものが低下・消失する)
- 解体症状(どちらでもない)
c.うつ病
【疫学】
好発は20〜30代
【成因と病態生理】
神経伝達物質の低下(セロトニン、ノルアドレナリン)
【特徴】
- 病相期間以外は寛解状態
- 意識障害、記憶障害、知能障害は見られない
【経過・予後】
- 3〜6ヶ月持続する
- 再発しやすい
d.アルコール依存症
【治療】
- 振戦
- 発汗
- 不安
- 不眠
I.心療内科
a.心身症
【概要】
器質性、機能性障害を認める
【疫学】
- 数多くの身体症状に関与する
- 何らかの心理社会的因子が関係する