こんにちは。
国家試験をあと3ヶ月に控えて未だに内分泌の問題が自信持って望めない状況なので、改めて頭の中を整理しようと思います。
今回は、国家試験問題で生理学の内分泌に関係する箇所を見直し、
何を覚えれば国試で点がとれるのか
ということにフォーカスを置いてまとめてみました。
まずは国家試験の傾向から覚えるべきことを4つに分類するところから始めます。
1.内分泌器官の名称
ここでまとめる内分泌器官は全部で12個。
12個を単独で覚える必要はないですが、
甲状腺について正しい記述はどれか?
1.甲状軟骨の上方に位置する
2.皮質と髄質に分かれる
3.重層扁平上皮でできた濾胞の集まりよりなる
4.外頸動脈の枝で栄養される
内分泌腺について誤っている記述はどれか
1.膵島は膵臓の尾部に多い
2.甲状腺は多数の濾胞で構成される
3.副腎は皮質と髄質に分けられる
4.下垂体後葉は下垂体門脈系を形成する
というような問題があるので、解剖学的な知識も合わせて覚えておかないといけません。
1)視床下部
間脳にあって、下垂体から分泌されるホルモンの調節を行っています。
2)下垂体
視床下部の下にぶら下がったようなソラ豆状のもの。
下垂体の前葉は「腺下垂体」と呼ばれ、視床下部と血管(下垂体門脈)によってつながっています。
下垂体の後葉は「神経下垂体」と呼ばれ、視床下部から直接神経線維がつながっています。
3)松果体
4)甲状腺
甲状軟骨の下、気管の前面に気管を取り囲むように付着したものです。
甲状腺の組織内には多数の球形の濾胞があります。
濾胞の外にある傍濾胞細胞から分泌されるカルシトニンは、甲状腺ホルモンとは区別されます。
5)副甲状腺(上皮小体)
甲状腺の後面に左右2個ずつある。
6)膵臓(ランゲルハンス島)
膵液を分泌する外分泌腺に混じって、内分泌腺であるランゲルハンス島があります。
ランゲルハンス島は膵臓の尾部に多く存在します。
7)副腎皮質
腎臓の上にある副腎は、髄質と皮質に分けられます。
皮質は外側から「球状層」「束状層」「網状層」に分けられ、それぞれから違うホルモンが分泌されます。
8)副腎髄質
副腎皮質に囲まれ、クロム親和性細胞(クロマフィン細胞)からホルモンを分泌します。
9)卵巣
コレステロールを原料に作られる「ステロイドホルモン」を分泌します。
10)精巣
コレステロールを原料に作られる「ステロイドホルモン」を分泌します。
11)消化管
12)腎臓
2.ホルモンの名称と分泌される内分泌器官
1)視床下部から放出されるホルモン
- 成長ホルモン放出ホルモン(GRH)
- プロラクチン放出ホルモン(PRH)
- 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)
- 性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)
ゴロで覚えるとしたら、
「成長するプロは、コーヒーのせい」
抑制ホルモンは、
- 成長ホルモン抑制ホルモン(GIH)
- プロラクチン抑制ホルモン(PIH)
2)下垂体から放出されるホルモン
下垂体前葉ホルモン
- 成長ホルモン(GH)
- プロラクチン(PRL)
- 甲状腺刺激ホルモン(TSH)
- 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
- 卵胞刺激ホルモン(FSH)
- 黄体形成ホルモン(LH)
下垂体後葉ホルモン
- オキシトシン
- バゾプレッシン
ゴロで覚えるとしたら、
「紅葉とおばさん」
3)松果体から放出されるホルモン
- メラトニン
ゴロで覚えるとしたら、
「消火しても、メラメラ」
4)甲状腺から放出されるホルモン
- サイロキシン(T4)
- トリヨードサイロニン(T3)
- カルシトニン
ゴロで覚えるとしたら、
「工場にいるサイ、とりあえず軽い」
5)副甲状腺(上皮小体)から放出されるホルモン
- パラソルモン
ゴロで覚えるとしたら、
「不幸のパラソル」
6)ランゲルハンス島から放出されるホルモン
- グルカゴン(α細胞から)
※全体の約20% - インスリン(β細胞から)
※全体の約70% - ソマトスタチン(δ細胞から)
※全体の約10%
ゴロで覚えるとしたら、
「ランクルにインするトマト」
7)副腎皮質から放出されるホルモン
副腎皮質ホルモンはコルチコステロイドとも呼ばれます。
- 糖質コルチコイド(束状層)
- 電解質コルチコイド(球状層)
- 副腎アンドロジェン(網状層)
ゴロで覚えるとしたら、
「必死に東電が腹案」
※腹案は心の中に思っている案のこと
8)副腎髄質から放出されるホルモン
- アドレナリン
- ノルアドレナリン
- ドパミン
ゴロで覚えるとしたら、
「ずーっとアドレナリンがドパっと出てる」
9)卵巣から放出されるホルモン
- 卵胞ホルモン(エストロジェン)
- 黄体ホルモン(プロゲステロン)
ゴロで覚えるとしたら、
「ドSのランナーはプロが応対」
10)精巣から放出されるホルモン
- テストステロン
ゴロで覚えるとしたら、
「正装でテストを受ける」
11)消化管から放出されるホルモン
- ガストリン
- セクレチン
- コレシストキニン
ゴロで覚えるとしたら、
「ガス臭え、コレ」
12)腎臓から放出されるホルモン
- レニン
- エリスロポエチン
ゴロで覚えるとしたら、
「腎臓たちのレース」
音声付きの動画、作ってみました。
移動中、繰り返し聞いて覚えましょう。
3.ホルモンの化学的性質と作用機序
ホルモンの化学的性質による3つの分類
ホルモンは化学的な構造によって、
- ペプチドホルモン
- ステロイドホルモン
- アミン類ホルモン
に分けられます。
①ペプチドホルモン
複数のアミノ酸がペプチド結合(水溶性)したホルモンです。
多くのホルモンがペプチドホルモンに分類されるので、ここでは「ペプチドホルモン」という名称だけ覚えておくことにします。
②ステロイドホルモン
コレステロール(脂質の一種)が原料なので、脂溶性のホルモンです。
ステロイドホルモンには、
- 副腎皮質ホルモン
- 性ホルモン
の2つが分類されます。
ゴロで覚えるとしたら、
「必死に整頓して捨てろ」
- 副腎皮質ホルモンは「必死に東電が腹案」
- 精巣ホルモンは「正装でテストを受ける」
- 卵巣ホルモンは「ドSのランナーはプロが応対」
でしたね。
③アミン類ホルモン
アミノ酸から生成されるホルモンです。
- カテコールアミン(水溶性)
- 甲状腺ホルモン(脂溶性)
カテコールアミンは副腎髄質ホルモンのことです。
- 副腎髄質といえば「ずーっとアドレナリンがドパっと出てる」
- 甲状腺ホルモンといえば「工場のサイ、とりあえず軽い」
でしたね。
昔、大学で化学を専攻していたので少し掘り下げてみました。
ゴロもいいですが、理屈が分かってるとストーリー記憶になりやすいので。
アミノ酸が原料=ペプチド結合 ⇒ 水溶性
というイメージになりますが、甲状腺ホルモンが脂溶性なのは理由があります。
甲状腺ホルモンをヨウ素(ヨード)を含んでいるのは教科書にも書いてありますが、このヨウ素が「ベンゼン環」という水に溶けない構造の物質にくっついているので脂溶性になるようです。
なので「ヨウ素があるから脂溶性」と覚えるのもアリですね。
作用機序は脂溶性と水溶性が分けられれば簡単
四択問題で出題されているのが、
細胞内に存在する受容体に結合して作用を及ぼすホルモンはどれか?
標的細胞の細胞膜にある受容体と結合して生理作用を発現するホルモンはどれか?
作用発現に標的細胞内のセカンドメッセンジャーを介するのはどれか?
こういったタイプの問題が出題されます。
「細胞膜は脂質二重層で出来ている」というのを解剖学で勉強したと思います。
なので、
- 細胞膜をスッと入って細胞内に作用するのが「脂溶性」
- 細胞膜に入れないで、外側にある受容体に作用するのが「水溶性」
と覚えましょう。