生理学

平衡感覚 まとめ

a.平衡感覚の性質(前庭感覚)

重力によって身体や頭部の位置や運動の知覚に重要な働きをします。

 

b.前庭器官と伝導路

(1)前庭器官の構造と機能

前庭器官は、
・球形嚢:上下方向の加速度(ボールが上下にはずむ)
・卵形嚢:前後左右の加速度(たまごが前後左右に倒れる)
・三半規管
で構成されます。

球形嚢と卵形嚢に、それぞれの内部にある平衡斑(球形嚢班、卵形嚢班)の表面に有毛細胞が並んでいます。
有毛細胞の上を「平衡砂(耳石)」が覆っていて、平衡砂と有毛細胞がずれることによって有毛細胞が反応します。

半規管は、
・前半規管
・後半規管
・外側半規管
で構成されていて、お互いにほぼ垂直に交わります。
各半規管の膨大部にある「膨大部稜」には有毛細胞が並んでいて、そこにはクプラが覆っています。
クプラがリンパの流れによってたわむことで、有毛細胞を刺激する仕組みになっています。

 

(2)平衡感覚の伝導路

前庭器官(卵形嚢、球形嚢、三半規管)

前庭神経

延髄の前庭神経核

大きく2つに分かれる。

①脊髄を経由して、外眼筋の運動核へ
頭の位置の変化に伴う、眼の代償運動や前庭性眼振に関係します。

②視床を経由して、大脳皮質感覚野に連絡して平衡感覚を起こします。