a.感覚とその分類
b.感覚の一般的性質
(1)適刺激
たとえば光が視覚だったり、音が聴覚の適刺激というように、受容器にとっての最適な刺激があります。
(2)感覚の投射
感覚は大脳皮質の感覚野で生じています。
受容器が刺激されることによって、感覚神経を介して大脳皮質に到達することで初めて感覚として認識されます。
実際に感覚を感じるのは受容器で、これを「感覚の投射」と言います。
(3)刺激の強さと感覚
異なる強さの刺激を区別するのに必要な刺激の最小の差分を「弁別閾」と言います。
もとの刺激をS、弁別閾をΔSとすると、ΔS/Sは一定であり、比例することが言えます。
この法則を「ウェーバーの法則」と言います。
刺激の強さと感覚の大きさも比例関係であり、この関係をベキ関数の法則と言います。
(4)感覚の順応
一般的に、持続的な刺激をだんだんと弱く感じるようになることを「感覚の順応」と言います。
順応の程度は感覚受容器によって異なります。例えば、嗅覚や触覚などは慣れやすいですが、痛みは慣れづらく、場合によっては増強する場合があります。
これは痛覚が防御機構の1つとして働いているからと考えられています。
(5)感覚と知覚・認識
感覚受容器で受け取られた感覚の情報は、大脳皮質の各感覚野(体性感覚野、視覚野、聴覚野、味覚野)に伝えられます。
これらに伝えられた感覚が、さらに大脳皮質の連合野に送られて過去の感覚と記憶と突合させられて感覚の性質を理解します。
大脳皮質の連合野が働くと、刺激が与えられなくても感覚を空想することが可能になります。
(6)感覚入力の調節
受容器が受け取った情報は、中枢神経系に伝えられる過程で調節を受けます。
例えば視覚や皮膚感覚などの場合、刺激が加えられた場所の周辺の感覚情報は抑制されます。これを「周辺抑制」と言います。
(7)感覚と情動
感覚情報は大脳皮質感覚野にだけでなく、
・視床下部
・大脳辺縁系
にも伝えられます。
これによって感覚情報は知覚や認識と関係なく情動反応を起こすことがあります。
(8)感覚刺激と反射
感覚情報の一部では無意識的に反射性反応を起こします。
たとえば、眼に光が入り込んだ時に瞳孔が収縮する対光反射がこれに当たります。
(9)受容器と興奮伝達
受容器電位とは…
受容器の細胞が興奮して発する電位で、この電位が閾値を越えると興奮が求心性神経に伝達されます。
起動電位とは…
受容器電位が求心性神経に伝達され、求心性神経終末で発生した電位のことです。