生理学

筋の収縮の仕組み まとめ

a.興奮収縮連関

興奮収縮連関とは、活動電位の発生と筋収縮の起こる現象のことを言います。

興奮収縮連関のメカニズムは以下の順番で起こります。

1.T管膜を通じて活動電位が細胞内に伝導します。
※T管膜とは筋原線維を取り巻く「筋小胞体」と呼ばれる薄い膜のような袋状の構造物の一部分です。

2.筋小胞体の三つ組部位においてT管膜の活動電位が、カルシウムイオン放出チャネルを開きます。
※三つ組とは、筋小胞体の中に含まれる「T管」とその両端にある「終末槽」を合わせたものを指します。

3.筋小胞体から筋漿中(筋原線維の周囲)にカルシウムイオンが放出されます。
※筋漿とは骨格筋細胞の細胞質です。

4.カルシウムイオンが細いフィラメントの制御たんぱく質に作用して収縮反応が起こります。

5.刺激が無くなると、筋小胞体のカルシウムイオンポンプによってカルシウムイオンがエネルギーを使って筋小胞体に取り込まれます。それによって、筋細胞質のカルシウムイオン濃度が下がって筋が弛緩します。

 

b.等張性収縮と等尺性収縮

等尺性収縮とは…
筋肉の長さが変化しない収縮です。

等張性収縮とは…
張力を一定に保つ収縮で、筋肉の長さは変化します。

 

c.単収縮と強縮

単収縮とは…
1回の活動電位(細胞の興奮)によって発生する筋収縮
(心臓の収縮など)

強縮とは…
収縮の加重によって生じる持続的な収縮。
(骨格筋の収縮など)
強縮には各々の単収縮が滑らかに融合した状態である「完全強縮」と、刺激頻度が低い時に個々の刺激に応じて収縮高が変動する状態である「不完全強縮」があります。

 

d.筋の疲労

筋収縮を繰り返すことでやがて収縮しなくなることを「筋の疲労」と言います。
白筋は赤筋よりも疲労しやすいです

筋疲労の原因としては、
・筋細胞内でのグリコーゲンの枯渇
・ATPの減少
・ATP分解における副産物であるリン酸やADPの蓄積
などがあります。