リハビリテーション医学

リハビリテーション医学 中間試験準備

用語の説明

1.内部障害

身体障害者福祉法に含まれる「身体障害の種類」の1つとして「内部障害」が分類されています。
内部障害には、

  1. 心機能障害
  2. 腎臓機能障害
  3. 呼吸機能障害
  4. 膀胱直腸機能障害
  5. 小腸機能障害
  6. 免疫機能障害
  7. 肝臓機能障害

の7つに分類できます。

 

2.廃用症候群

廃用症候群とは、長期臥床または安静による二次的障害です。
臥床から数日で起こり始め進行してしまい、長期間続くと非可逆的な変化になります。

《生理的変化》

体液組成の変化:組織間液が臥床初期はわずかに減少しますが、14日以降では320〜430ml増加します。

腎における尿流量と電解質排泄の変化:頭側を下げた臥床では4〜8時間で利尿効果が最大になります。

起立性低血圧:下肢の血管反応性が低下し、下肢の血管や組織内の体液が静脈系を経由して心臓へ押し返す能力が低下します。

《廃用症候群の症候》
1.骨格筋の収縮

廃用によって遅筋が速筋へと筋繊維タイプの変化が起こります。
1日で5%の減少があると考えられています。

2.関節拘縮

好発部位は、

  • 頸部屈筋
  • 肩関節内転筋
  • 肘関節屈筋
  • 前腕回内筋
  • 股関節屈筋
  • 大腿四頭筋
  • 膝関節屈筋
  • 下腿三頭筋

発生機序は以下の図の通り

関節拘縮の発生機序
3.骨粗鬆症

骨形成よりも骨吸収が上回るために起こります。

 

4.尿路結石

尿中のカルシウム排泄が増加して起こりやすくなります。

 

5.循環障害

血管運動神経の反応低下や血液のうっ滞により起立性低血圧、静脈血栓、沈下性肺炎などを起こします。

 

6.褥瘡(じょくそう)

皮膚の持続的圧迫による栄養障害です。
びらんや潰瘍となります。

 

7.括約筋障害

失禁や頻尿、便秘などが起こります。

 

8.心理的荒廃

意欲低下、不眠、感情失禁などが起こります。
また、高齢者では認知症の症状が見られることもあります。

 

 

 

3.失行と失認

失行とは、麻痺や感覚障害が無いにもかかわらず思ったとおりに身体が動かないことです。
失認とは、感覚障害が無いにもかかわらず見たり聞いたり触ったものが何か分らない状態

《失行の障害》

身振りや道具使用の障害「観念運動失行」
※検者の母指と示指で輪を作り模倣できるかどうか

複数物品の系統的操作の障害「観念失行」
※タバコを加えてマッチで火をつけるなどの一連動作ができるか

主に手と指による行為の遂行が不完全になる障害「肢節運動失行」
※鉛筆を掴むなど、細かい手の動作が拙劣となる

「着衣失行」
※着衣がうまくできるか

 

4.バーセルインデックス(何を評価するものか、何をするか)

ADL(日常生活活動)の評価に使われます。
現在世界中でもっとも広く使われて、使用しやすいものとされています。

項目としては、

  1. 食事(肉を切ってもらった場合は介助)
  2. 車椅子からベッドへの移動(ベッド座位を含む)
  3. 整容(洗顔、整髪、ひげそり、歯磨き)
  4. トイレ動作(衣服着脱、後始末)
  5. 入浴
  6. 平地歩行(あるいは車椅子推進)
  7. 階段昇降
  8. 更衣(靴紐結び、ファスナー留めなど)
  9. 排便
  10. 排尿

の10項目で、全て自立できれば100点となります。

  • 60点以上で「自立度が高い」
  • 40点以下で「重度の障害」
  • 20点以下で「全介助」

 

5.ADL

ADLとはActivities of Daily Living(日常生活活動)の略です。
日常生活に最小限必要と考えられる活動であり、

  • 起居
  • 移動
  • 食事
  • 更衣
  • 整容
  • トイレ

の各動作およびコミュニケーションからなっている。
そのため、障害者の自立のために最初に目標とされるべきものとなっています。

 

6.FIM

FIMとはFunctional independence measureの略で「機能的自立度評価法」のことを言います。

  • 運動13項目
  • 認知5項目

の評価項目で、それぞれの項目が7段階で評価されます。

《評価項目》

 

 

運動項目 セルフケア 食事
整容
清拭
更衣(上半身)
更衣(下半身)
トイレ動作
排泄コントロール 排尿管理
排便管理
移乗 ベッド、椅子、車椅子
トイレ
浴槽・シャワー
移動 歩行・車椅子
階段
認知項目 コミュニケーション 理解
表出
社会的認知 社会的交流
問題解決
記憶

 

 

 

7.徒手筋力テスト

肩関節のMMTでは基本的には前腕は中間位とする。
肩関節の外転時、90度以上になったら前腕を回外することを原則とする。

肘関節のMMTでは、前腕は回外位とする

股関節の屈曲は、背臥位で膝関節屈曲
股関節の伸展は、腹臥位で膝関節伸展

 

8.ブルンストロームステージ

ブルンストロームステージとは、中枢神経障害による運動麻痺が回復していく過程の評価基準となります。

stage Ⅰ 随意運動が見られない。また、筋は弛緩性である
stage Ⅱ 共同運動がわずかに出現した状態。痙縮が出始める
stage Ⅲ 随意的な共同運動として関節の運動が可能。痙性は高度。
stage Ⅳ 共同運動パターンが崩れ、分離運動が可能となる。痙縮は弱くなる
stage Ⅴ 分離運動が上手になり、複雑な逆共同運動の組み合わせが可能となる
stage Ⅵ ほぼ正常に近い運動が可能

 

 

ICIDHの能力低下には、今のICF分類の活動に対応するかどうか

ICIDHは国際障害分類
ICFは生活機能分類

ICIDH ICF
機能障害(臓器レベル) 心身機能、身体構造
能力低下(個人レベル) 活動
社会的不利(社会レベル) 参加

 

周囲計
四肢長の測り方

上肢長 肩峰外端から中指尖端
上腕長 肩峰外端から上腕骨外側上顆
前腕長 上腕骨外側上顆から橈骨茎状突起
手長 橈骨茎状突起から中指尖端
棘果長 上前腸骨棘から内果
転子果長 大転子から外果
大腿長 大転子から大腿骨外側上顆
下腿長 大腿骨外側上顆から外果

 

指鼻テストとは?何をみるか?

座位もしくは仰臥位で、腕を伸ばしてやや外転位をとり、そこから示指で自分の鼻の頭を触る。
最初に開眼したままで行い、次に閉眼して行う。

運動がなめらかでない。ぎこちない、振戦がある等の場合は協調性の障害が考えられる。

※指鼻指テストは、患者の鼻・検者の指、患者の鼻で繰り返す。
企図振戦が確認できる。

 

ロンベルグテストとは?何をみるか??

脊椎後索障害の有無を評価するための試験。

被験者がつま先をそろえ、目を閉じて直立する。
開閉時の動揺は少なく、閉眼すると著明に動揺すれば陽性。

 

 

長谷川式簡易機能スケール

認知症のスクリーニング検査。主に老人が対象。

「短期記憶」と「カテゴリー語想起課題」が含まれます。

30点満点中20点以下だと「認知症疑い」
21点以上であれば「非認知症」

【問題内容】
  1. 歳はいくつですか?
  2. 今日は何年の何月何日ですか?何曜日ですか?
  3. 私達が今いる所はどこですか?
  4. これから言う3つの言葉を言ってみてください。あとの設問でまた聞きますので覚えておいてください。
  5. 100から7を順番に引いてください。
  6. これから言う数字を逆から言ってください
  7. 先程覚えてもらった言葉(問4の3つの言葉)をもう一度言ってください
  8. これから5つの品物を見せます。それを隠しますので何があったか言ってください
  9. 知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください

 

関節可動域の問題(特に大きな関節)肩、肘、膝
どういう肢位で測るか
肘屈曲図る時は?前腕を回外して橈骨と尺骨を平行に
股関節は屈曲仰向け、伸展のときは腹臥位どういう姿勢か

何度単位で測るか

知能検査、何歳以上が対象になるか

性格検査

コース立法体テスト(知能検査)の特徴は?

知能検査の一種で、言語を使わないテスト。
精神年齢や知能指数が算出できるが、現代では主に非言語性の能力を測るテストと考えられている。

 

内田クレペリンテストとは?

作業検査法の1つ。

「作業するときの能力」
「能力を発揮する時の特徴」
を判定して心理分析を行う。

 

Y−Gテスト(矢田部−ギルボード)性格検査法

抑鬱、回帰性傾向、などの12の性格特性を測定するために容易された各々10個(計120個)の質問項目で構成される

《Y−G性格検査における12尺度と6因子群》
  • 情緒性因子
    • うつ、悲観的、罪悪感
    • 情緒的変動性、感情的
    • 自信欠如、劣等感、不適応感
    • 心配性、いらいら感
  • 社会適応因子
    • 空想性、過敏性
    • 不信、不満
    • 短期、不機嫌、攻撃性、衝動性
  • 活動性因子
    • 短気、不機嫌、攻撃性、衝動性
  • 衝動性因子
    • 心身の活発性
  • 内省性因子
    • 気軽さ、大ざっぱ
  • 主導性因子
    • おおざっぱな傾向
    • 社会的指導性、逆の傾向は服従性
    • 社交性が高い、この逆は社会的内向

治療体操とは…

  • マッケンジー体操:腰痛体操(腰を反らす)
  • ウィリアムス体操:(腰痛)
  • コッドマン:(五十肩)
  • フレンケル:(失調症)
  • バージャー体操:(下肢血行改善)
  • ベーラー体操:(脊椎圧迫骨折の固定による背筋筋力低下予防

3点歩行、4点歩行とは?

3点歩行:両杖と健側の下肢

4点歩行:右杖 − 左下肢 − 左杖 − 右下肢

2点歩行:右杖と左下肢 − 左杖と右下肢

 

温熱療法の禁忌

  • 急性炎症
  • 循環障害
  • 知覚鈍麻
  • 悪性腫瘍
  • 出血傾向
  • 浮腫
  • 乳児、意識障害者
  • 非代償性心不全(急性心不全)

 

長期挫傷
拘縮を起こす場合、どういう肢位が起こりやすいか

それぞれの失語とはどういう失語?何が障害されているのか?

伝導失語

言葉を言い間違えたり、相手が言った言葉を復唱しようとしたときに言い間違える。

ブローカー失語

運動野の障害によって、自分から発話する場合の言語処理が障害される。
言葉は理解できるが、発語するのに障害がある。

ウェルニッケ失語

感覚野の障害によって、言葉が聞き取れなくなる、理解できなくなる。
はっきりとした言葉だが、ちんぷんかんぷんな回答。

健忘失語

人の言うことを理解したりすることに障害は少ないが、適切な言葉を思い出したり、ものの名前が出てこないので回りくどい話し方になる。