病理学概論

病理学概論 2年後期中間試験準備

《記》

⒈前癌病変

まだ臨床的癌へ進行しなければならない未完成時期の癌です。
正常の組織に比べて、癌発生のリスクの高い病変です。

①胃における異型増殖、子宮頸部における異形成

②化生と癌化の関係
胃癌における腸上皮化生は胃癌の80%でみられます。

③側癌変化
前癌病変と考えられていたが、癌化と直接関係ないものです。
胃癌に先行する「胃潰瘍」
乳癌に先行する「乳腺症」
肝癌に先行する「肝硬変」
※ただし、B型、C型肝炎ウイルスによるものを除きます。

⒉良性腫瘍と悪性腫瘍の組織学的性状

 

⒊液性免疫と細胞性免疫

最近やウイルスの感染が成立すると、「液性免疫」と「細胞性免疫」の両者が誘導されますが、細菌などの性質によって2つの免疫反応の比重が異なり、各疾患に固有の反応が導かれることになります。

1)液性免疫

抗原(非自己の異物)に特異的に作用する抗体を産生して、抗体が抗原に作用することで抗原を排除・無毒化する免疫反応です。

2)細胞性免疫

抗原特異的なTリンパ球や食細胞によって惹起される免疫反応です。

 

⒋アレルギー

免疫学的な仕組みによって発生する過敏反応が、細胞や組織を障害する場合の総称名です。
過剰な免疫反応が有害な作用を及ぼします。

 

《択》

1.悪性腫瘍の特徴

正常組織の隙間へ浸潤性に入り込みます。
境界の鮮明度が低く不明瞭で、
増殖速度は速い、
破壊性も強く、
転移によって死にいたらしめます。

 

2.腫瘍の分類

  • 上皮性
  • 非上皮性
  • 造血器・リンパ組織
  • 神経原性

の4つの大きな系列に分けられます。
腫瘍は「悪性」と「良性」に分けられますが、造血器・リンパ組織は悪性腫瘍のみです。

3.腫瘍の好発部位

《カルチノイド》

十二指腸、虫垂、直腸

《Ewing肉腫》

小児、若年者の骨

《グロームス腫瘍、悪性グロームス腫瘍》

《ベーカー嚢腫》

膝窩

《ホジキンリンパ腫》

ホジキン細胞

 

4.癌の転移

比較的良性の癌は、拡張的増殖のみで局所に留まりますが、未分化の癌は浸潤性で転移しやすいです。

転移には、「血行性」と「リンパ行性」の型式があります。
血行性は血管から侵入した癌細胞が血流に乗って全身に拡がるのに対して、リンパ行性のものはリンパ流沿いにリンパ節からリンパ節へと転移します。

血行性転移をしやすい臓器としては「肺」と「肝臓」が挙げられます。
「副腎」や「骨髄」も転移しやすい。
「心臓」「筋」「脾臓」はほとんど転移しない

5.腫瘍の壊死によっておこる病態

発熱

6.発癌因子

(1)物理的因子

物理的なものに「放射線」が挙げられます。
原発事故では主に白血病。それ以外の癌(甲状腺癌、肺癌、乳癌)の発生率も増加しました。

他には皮膚癌を引き起こす「紫外線」などがある。

(2)化学的因子

コールタールが最初に人工癌として研究された。その後さまざまな発癌物質が見出されました。

(3)加算効果

物理的、化学的発癌物質はいずれも蓄積効果があります。

 

7.腫瘍マーカー

AFP(αフェトプロテイン)

肝癌、胆道系癌、膵癌(60%以上が陽性)、腎不全、妊娠

CEA(癌胎児性抗原)

大腸がん、胃癌、膵癌、肺癌、乳癌、胆道癌、子宮内膜癌、卵巣癌

CA19-9

膵癌、胆嚢癌、胆道癌、胃癌、大腸癌

CYFRA21

肺扁平上皮癌、肺腺癌

PSA

前立腺がん

 

8.癌と前癌病変

9.放射線と腫瘍の関係

放射線は白血病やその他の癌の発生率を増加させます。
被曝との関係は「甲状腺癌」「肺癌」「乳癌」が疑われています。
ラジウム(α線)は骨肉腫
トロトラスト(α線)は肝癌

10.免疫反応の特徴

自然免疫

抗原に非特異的な好中球や単球、大食細胞などの食菌反応

獲得免疫

引き続きT細胞やB細胞の抗原に対する特異的な免疫反応

 

 

11.アレルギー反応と疾患

12.抗原抗体反応

13.遺伝疾患

自己免疫疾患
の名称と発生部位。教科書チェック。

過去問からも出る