きーたんの鍼灸学生日記

2016年に営業の仕事を辞めて、鍼灸専門学校に通いつつ、2017年秋に整体師として独立しました。

第6章 2.女性生殖器 ノート

   

1)卵巣

卵巣は卵子を作るところです。

卵子のもとになる「卵母細胞」を維持・成熟させ、その後放出します。
その放出することを「排卵」と言います。

卵巣の外観

母指頭大(3×1.5cm)の楕円形をした実質性器官で、子宮の両側に対となって位置しています。

卵巣には位置を固定する2本のヒモがあります。
・子宮壁につながる「固有卵巣索」
・骨盤壁につながる「卵巣堤索」

この2本のヒモによって卵巣はハンモックのようにぶら下がっています。

卵巣と腹膜

卵巣は全体が腹膜に覆われています。
それによって「卵巣間膜」という間膜が形成されます。

卵巣間膜は子宮間膜の背面に続いていて、卵巣の外側には「卵管采」が接しています。
卵管采は卵巣から排卵された卵子を、卵管に取り込むところです。

卵巣の内部構造

卵巣は皮質と髄質に分かれます。

髄質は中心部の柔らかい層で、卵巣門から入ってくる血管や神経、リンパ管に富んでいます。

皮質は卵巣としての機能が行われる場所、つまり卵子ができるところです。
周辺の比較的緻密な結合組織の層で、種々の発達段階の卵胞・黄体・白体が見られます。

卵巣の活動

思春期に活動を開始して、閉経期までの間28日周期で、「卵胞期」「排卵期」「黄体期」を繰り返します。
※卵胞期と黄体期は14日ずつです。

(1)卵胞

卵巣の中に多数存在する、球状の細胞です。

卵胞の内部には1個の卵細胞が含まれ、それを卵巣の細胞が包んでいます。
卵胞は卵巣の皮質で成熟します。卵胞の成熟を「卵胞形成」と言いますが、これには375日かかります。
それぞれの卵胞の成長が続けて始まっているので、卵巣の中には常に全ての発育段階の卵胞を含んでいることになります。

卵胞形成は「排卵」で終了になります。

卵胞は、排卵が起こる時の機能的な単位です。
卵胞はその形成段階によって、以下の異なった名前で呼ばれています。
①原始卵胞
②一次卵胞
③二次卵胞
④胞状卵胞
⑤成熟卵胞(グラーフ卵胞)

①原始卵胞

卵巣の中に常に無数に蓄えられている休眠状態の卵胞で、卵巣の表面近くにびっしりと並んでいます。

1個の一次卵母細胞と、それを囲む1層の扁平な細胞層で構成されています。
この時の大きさは0.03mmです。

②一次卵胞

休眠から目覚めた原始卵胞が発達を始めた数日間の卵胞です。
原始卵胞の卵胞上皮が立方状へと変化します。
卵母細胞の遺伝子は活性化して、転写されるようになります。
この時点で卵胞の直径は0.1mmになっています。

透明帯と呼ばれる、糖タンパク高分子の莢膜が卵母細胞の周囲に形成されて、周囲の顆粒層細胞と分離されます。

③二次卵胞

卵胞上皮細胞が、重層に形成されて、卵胞への血液循環が開始されます。
卵胞形成から290日が経過した時点で、卵胞は直径0.2mmになっています。

④胞状卵胞

卵胞形成開始から約360日。
二次卵胞の卵胞上皮細胞が、増殖を繰り返すこので厚くなって、卵胞上皮内に卵胞腔という隙間ができます。
ここに卵胞液が溜まって、その腔が大きくなるにつれて、卵子は周辺に寄って、胞状卵胞になります。

胞状卵胞内の卵子

卵子は、卵丘の中で均質の厚い透明帯で囲まれます。
(透明帯は排卵後も卵母細胞の周囲に残って、含まれている酵素によって精子の進入を触媒します。)

卵胞膜から「卵胞ホルモン(エストロゲン)」が分泌され始めます。

胞状卵胞は、卵胞刺激ホルモンによって発育して、最も発育した卵胞を一つ残してあとは退縮していきます。
これを「卵胞閉鎖」といいます。

残った1つの卵胞は、大量の卵胞液を含んでいて、直径は約2cmにもなります。
これが成熟卵胞(グラーフ卵胞)です。

排卵

成熟卵胞が卵巣の表面に盛り上がって、破裂して卵母細胞が腹腔に放出されます。この時点で卵胞形成は終了します。

排卵された卵子は、卵丘の一部(放線冠)に包まれています。
排卵は4週間毎の月経周期に基づき、左右交互の卵巣で起こります。

卵子は卵管采に包まれて、卵管の腹腔口から卵管内に入ります。

 

(2)黄体・白体

排卵後の卵胞は、出血して赤くなります。
これを「赤体」といいます。

しばらくすると、多数の脂肪滴と黄色い色素に満たされた大型の細胞集団となります。
これを「黄体」と言います。

黄体からは「黄体ホルモン(プロゲステロン)」が分泌され、
・月経周期においては子宮内膜を肥厚させる
・妊娠周期においては妊娠を維持します。

卵子が受精して子宮内膜に着床すると、「妊娠黄体」となって持続します。

受精しなかったものは、月経黄体として2週間後に最大2cmとなって退縮して、結合組織が増えて「白体」となります。

 

2)卵管

卵管は、卵巣から排卵された卵子を取り込み、子宮に運ぶための管です。
卵子を運ぶために、線毛円柱上皮になっています。
卵巣に近い半分を「卵管膨大部」、子宮に近い半分を「卵管峡部」と言います。

卵管膨大部の尖端

卵管膨大部の尖端は、広がって漏斗を作り、多数の房状の突起を出して卵管采と呼ばれます。

卵巣から排卵された卵子

排卵された卵子は、卵管采から卵管に取り込まれて、卵管膨大部で受精します。
受精後、子宮に到達するまでの3〜4日の間に、受精卵は卵管を運ばれるうちに分裂して桑実胚となります。
受精後5〜7日後に、「胚盤胞」となって子宮内膜に着床します。

卵子の輸送は、卵管の筋層運動と、卵管上皮細胞の線毛によって行われます。
これらの機能がうまくいかないと、卵子を子宮に送れないために不妊の原因の一つとなります。

子宮外妊娠とは、受精卵が子宮に着床する前に、卵管壁に着床してしまうことです。
受精卵の発育が進むと、卵管壁が破裂して大出血してしまい、母体が危険な状態になります。

 

3)子宮

骨盤の中央に位置します。

前方は膀胱があり、後方は直腸があります。
大きさは鶏卵程度で、前後に扁平ななすび型です。

子宮の区分

子宮の上2/3:子宮体部
子宮の下1/3:子宮頚部
子宮体部から子宮頚部に移行するくびれ部分:子宮峡部
子宮頚部の下端:子宮膣部

子宮の内部を子宮腔といいます。
三角になっていて、上部は卵管に通じて、下部は外子宮口に開きます。

(1)子宮広間膜

腹膜:子宮、卵管を上方からすっぽりと覆い、晴れ着の袖のように子宮の両側に垂れ下がります。
垂れ下がった腹膜は前後が合わさって間膜となります。これを「子宮広間膜」といいます。

子宮広間膜の中に、(固有卵巣索と子宮円索)が含まれます。

子宮は一般に前傾・前屈位をとります。

子宮円索

子宮の左右両側の上隅から起こり、骨盤側壁を前方に走り鼠径管を通って、腹腔の外に出て大陰唇の皮下に至ります。
子宮は子宮円索によって前方に引っ張られて、前傾の位置に固定されます。

(2)子宮壁の構造

子宮壁は厚さが1.5cmで、子宮内膜(粘膜)・子宮筋層・子宮外膜(漿膜)の3種で構成されています。

子宮内膜

単層円柱上皮が管状に固有層の中に深く落ち込み、「子宮腺」が形成されます。
子宮腺と子宮腺の間を表層に向かってラセン状に曲がりくねった「ラセン動脈」が上行します。

子宮内膜の表層は、月経の際にラセン動脈の収縮によって貧血に陥り、剥離します。
子宮内膜の深層は、月経終了後に粘膜がここから再生されます。

子宮の筋層

子宮壁で最も厚い層です。
錯綜する平滑筋で構成されます。

子宮外膜

子宮底、子宮体の後面のみ漿膜に包まれます。
他は周囲の結合組織に移行します。

 

4)膣

子宮に続く長さ7cmの前後に扁平な管状の器官です。
前に尿道、後ろに直腸があります。
尿生殖隔膜を貫き、膣前庭に開きます。

膣口

処女膜によって部分的に閉ざされます。
膣の上部では、球状に突出する子宮膣部を後膣円蓋と前膣円蓋がそれぞれ輪状に囲みます。
膣円蓋の深さは後膣円蓋の方が深くなっていて、薄い壁を隔ててダグラス窩に接します。

膣粘膜

角化しない重層扁平上皮「非角化扁平上皮」

多数の横ヒダが見られます。
粘膜下には内輪層、外輪層の平滑筋があります。

 

5)外生殖器(外陰部)

正中部に見られる裂け目を「陰裂」といいます。
陰裂の左右の皮膚の隆起を「大陰唇」といいます。大陰唇は男性の陰嚢に相当します。

左右の大陰唇

恥骨結合の前方で合わさって「恥丘」を作ります。

恥丘は皮下脂肪が発達して盛り上がって、思春期になると陰毛が生えます。

(1)小陰唇と陰核

大陰唇の内側にある、無毛で色素に富む皮膚のヒダを「小陰唇」といいます。
左右の小陰唇が合する前端にある小さな突起を「陰核」といいます。

陰核

男性の陰茎にあたり、内部の陰核海綿体が性的に興奮すると勃起します。

(3)膣前庭

左右の小陰唇に囲まれた領域を膣前庭といいます。
前部に尿道が開口します。これを「外尿道口」といいます。

膣前庭の両側

静脈叢でできた海綿体「前庭球」が存在します。
前庭球は男性の尿道海綿体にあたります。

前庭球の後端

エンドウ豆大の「大前庭腺」があり、これが膣前庭に開口します。
大前庭腺は男性の尿道球腺にあたります。

性的興奮によって粘液を分泌し、膣前庭を潤します。

会陰部

骨盤の下口で、左右の坐骨結節を結ぶ線によって尿生殖隔膜で閉ざされる前部、骨盤隔膜で閉ざされる後部に分けられます。

尿生殖隔膜(主は深会陰横筋)

尿道と膣で貫かれます。

骨盤隔膜(肛門挙筋と尾骨筋)

肛門で貫かれます。
臨床的には膣前庭の後端(男性では陰嚢の後端)から肛門までを会陰と呼びます。