生理学

脊髄 まとめ

a.ベル・マジャンディーの法則

脊髄の後根を求心性線維(感覚性線維)が通り、
前根を遠心性線維(運動性線維)が通ることをいいます。

 

b.脊髄反射

脊髄には多くの反射中枢があります。その中で運動反射と自律神経反射に分けられます。

  • 体性ー運動反射
  • 体性ー内臓(自律神経)反射
  • 内臓ー内臓(自律神経)反射
  • 内臓ー運動反射

 

c.脊髄ショック

脊髄と脳との連絡が絶たれてしまうと、切断部より下の脊髄が支配する領域で、
・脊髄が圧迫されることにより一次的な脊髄機能が麻痺して、脊髄反射が消失し、
・血管運動が麻痺することで、血管が広がり全身の血液が血管に流れ込んでしまうので脳や臓器に血液が送られずに血圧が下降し最悪死に至ります。

これらを脊髄ショックと言います。

d.脊髄内の伝導路

(1)上行路

(1)脊髄視床路

皮膚の温度覚触覚の一部(原始覚)視床に伝えます。
脊髄内で交差して側索と前索を上行します。
※原始覚は所在がはっきりしていません。

 

(2)後索路

触覚の一部(識別性触覚)深部感覚延髄に伝えます。
後索を上行します。

 

(3)脊髄小脳路

運動や姿勢維持などの調節に関与します。
側索を通って小脳に伝わります。

 

(2)下降路

(1)皮質脊髄路(錐体路)

随意運動に関係します。
大脳皮質運動野に始まり、側索と前索を通って脊髄の前角ニューロンに伝わります。

 

(2)視蓋脊髄路、前庭脊髄路、網様体脊髄路、赤核脊髄路など(錐体外路)

無意識的な運動調節に関係します。
それぞれ、視蓋、前庭神経核、毛様体、赤核に始まり、側索や前索を通って脊髄の前角ニューロンに伝わります。

 

※ブラウン・セカール症候群

脊髄内で交叉しないもの:随意運動、血管運動、深部感覚
脊髄内で交叉するもの:痛覚、温度覚
交差性・非交差性と両方もつもの:触覚

例えば脊髄の半側だけが切断されたら、

切断した側は…
・随意運動麻痺
・深部感覚(位置および運動の感覚)消失
・触圧覚低下

切断反対側は…
・痛覚・温度覚の消失
・触圧覚低下